九大百年祝典序曲(2018年改訂版)


 本曲は、九州大学が2011年に創立100周年を迎えたのを記念して、芸術工学研究院教授(現:名誉教授)であった中村滋延氏によって2010年12月に作曲され、九州大学に献呈された。当初は創立記念の年である2011年に初演されるはずだったが、同年3月に東日本大震災が発生したため、予定していた記念祝賀行事が翌年に延期され、初演は2012年5月12日に九州大学五十周年記念講堂で執り行われた創立百周年記念式典にて、荒谷俊治氏が指揮する九大フィルハーモニー・オーケストラで行われている。一般公開の場では、同月26日にアクロス福岡シンフォニーホールにおける創立百周年記念コンサートで、同じく荒谷氏指揮する九大フィルにより初めて披露された。

 本曲は、本日ここで演奏するブラームスの名曲「大学祝典序曲」にならって、博多民謡や九州大学学生歌の旋律を素材に、現代的技法を用いて作られている。全体は、まず序奏と、学生の前向きで活き活きとした活動を象徴する明るい主題(A部)から始まり、それをつなぎとしたA1-B-A2-C-A3-D-A4の7部で構成されている。途中のB, C, A3, D部では、それぞれ博多民謡の「黒田節」、「どんたく囃子」、九州大学学生歌「松原に」(秋山喜文作詞、山田尚慶作曲)、九州大学の伊都キャンパスイメージソング「愛し伊都の国」(作詞:きたやまおさむ、作曲:稲永要)が、時には副旋律を絡めて、あるいは装飾変奏されながら登場する。最後のA4部では、「九州大学応援歌」(作詞:甲斐尚夫、作曲:藤丸修)が主旋律として現れて音楽を盛り上げ、全合奏の中で華々しく曲は終わる。演奏時間は約7分30秒で、今回の東京公演のためにテューバを編成に加えるなどの改訂がなされた。

 なお、ここに登場する学生歌「松原に」の作曲者である山田尚慶氏(工学部・昭31年卒)は、九大フィルOBでホルン奏者として、大阪フィルハーモニー交響楽団などで活躍した。